先日の京都でのお茶会
ご亭主は立派なお数寄者さんだった 堺よりいらして、 お菓子は南蛮餅 お道具は千家ゆかりの品々(詳細は慎む) ご亭主振りもステキだった いいお席だった で お正客さんが 連客の度肝を抜くような方だった 旅の思い出(?)に、貴重な体験として、メモっておく --- 何がすごい?って お道具通で通っているらしいんだけれど とにかく席入りから退出まで これは誰誰だことの 何代目がどうだことの 誰誰の何代目が何だかんだことの ずっとしゃべくり通すのだ 席入りして、一同が座に着いた途端、 静けさを破って、いきなり 正客「これ、キセル、浄益、○代目やね・・・ほんで、莨盆は誰それでな・・・」 その正客を見知っている三客の男性(京都のお茶人さん)が たまらず、釘をさす 三「まあ、道具屋の集まりやないんさかい、その辺で」 正「あら、まあ、そやね、エヘン」 で、ようやく、襖が開いてご亭主のご挨拶と相なった その挨拶も これまた 時節の挨拶やなにやはそこそこに 道具の話に持ちこむこと 大寄席茶会では話題が道具中心になりがちなことは仕方ないとしても、 何ていうんだろう? えげつないんだよな、話し振り、客振りが 蒔絵の菓子器(喰籠)が回ると 正「ご亭主、こりゃ、伊勢物語やねぇ・・・」 亭「さようで・・・」 正 すかさず「で、何段目?・・・何段目ですの、伊勢物語の?」 亭「何段目と言いましたら、何段目でしたっけね・・・」 正「ま、何段目でも行けそうですわな、これなら。」 (なら、ええやん、訊かんかて) 正「で、これは宗哲さん?五代目でしょう?そうでしょう。そうやわ。」 正「あ、私、寄付のお会記見てへんかったけれども、そうやわ、やっぱり五代目宗哲やわ、上手やもんね、五代目は、やっぱりちょっと違うわぁ・・・」 (私は判った、という話が延々と続く ・・・ ホンマは見てたやろ、ばっちり会記、寄付で) 堆朱と言えば、 正「ええですねぇ、私、好きですねん、堆朱。ほら、私、大学で中国史専攻やったさかい。」 (一同 「知らんわ!」) ご亭主たまらずチクリ「はあ・・・ウチなんか自分の国のこともようわからんですけど、まあよその国のことまで勉強しはって・・・」 決め手は、これだ 茶碗が回ると 正「結構な御茶碗で・・・やっぱり○○の××はええですね・・・私も持ってますけど(ドヤ顔)」 !!! ワタシモモッテマス? ワ タ シ モ モ ッ テ マ ス ?? ワ・タ・シ・モ・モ・ッ・テ・マ・ス??? !!! 頭がグラグラしてくるようだった さて 茶席において、 客になって、 ご亭主に対して、 「私も、これ、持ってる」と言う人は、茶人だろうか? すさまじ これだから、イヤなんだ 大寄席茶会って いわゆる茶道の世界って 大徳寺の玉林院の洞雲庵に静かに座って こんな話を訊く羽目になるとは・・・ でも こうしたイヤなものごとを 残念ながら 京都だろうが、大阪だろうが、東京だろうが ちょいちょい、目にし、耳にする 関わらないようにしよう、っと さっぱりと清々しく 茶の湯を遊びたいもの 追記: 正客、席の最後の挨拶では、 正「まあ、すばらしいお席でありがとうございました。私、今日のこの感動を歌にしましたので、扇子に書いて差し上げますわ。もう出来たんです、ちょこっと後で書いて、お渡ししますんで」 (ご亭主の顔見てみい?) (そんなもん、誰が欲しいねん?) 追記: 三客さんはご夫婦で来ていて 後で別の美術館でバッタリお会いした お二人のもとには沢山の方が挨拶に来ていたから 知れたお茶の先生なんだろう ぼくが挨拶するなり・・・ 夫「あー、さっきは、ごめんなー」 婦「東京からいらした言うてはりましたけど、あんなんが京都のお茶や思われたら、かなん(叶わん)わー」 夫「ありゃ、「大阪名物」や」 婦「いや、そら、大阪の人に叱られますわ」 夫「そやな、それにしても、災難やったなー、うちらも、寄付で顔合わした時点で、あぁ、て言うてたんや」 婦「それでも、次の予定もあるし、今日は外れやと思うしかあらへん言うてなー、せやかて、ひど過ぎやったわ」 夫「ご亭主もなあ、もう少し、ピシっとたしなめてもええんやけど、まあ、しゃあないわ、客があの人やから」 婦「言うたかて聞かへん、って、ていうか、効かへん、って、そんなん、あの人には」 夫「せっかく遠くから楽しみにきたのに、なんか申し訳ないようやわ・・・せや、高台寺のチケットあるから、差し上げるわ、これで堪忍・・・」 いやいや、お気遣い頂き、ありがとうございました いろんな方にお会いするのも勉強ですね
by so-kuu
| 2013-12-02 21:50
| 茶人
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