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茶の湯灰 日々の手入れ (熨の扱い)

炉でも風炉でも
炭を燃やせば、燃えカスが生じる

その燃えカスは
実はカスどころではなくて
茶人のお宝だ *注あり

炉灰の
また
いつかは
風炉灰の
材料になるから

だから
日々の灰の手入れと尉の扱いが大切


さて

炉でも風炉でも、
燃え残りの炭をどかした後の火床には

茶の湯灰 日々の手入れ (熨の扱い)_b0044754_16275046.jpg


・炭が白く燃え尽きたもの=「熨」
*じょう、と読む
*尉の字の下に火と書く
*尉灰などと言われることもある
・炭の燃え残りの固形物
・灰が熱などによって変色し固まったもの(いわゆる「底」)

などがある

それをどうするか?


僕なら、

無傷の灰以外、毎回、全て一度取り去る

・まず、燃え残りの炭の大きい物を取る
・続いて、火箸で拾える小さな燃え残り炭も取る
・これらは、火消壷に戻す
*次回の下火に使える
・固まった「底」も灰匙で掘って掬い取る
・小さな燃えカス類を全てすくい取る
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・ここで筆を使って、灰の表面を撫でて不要なモノをまとめる
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・さらに灰匙で、不要物を完全に取り去る
茶の湯灰 日々の手入れ (熨の扱い)_b0044754_16322475.jpg


・熨・炭の粉・底も火消壷に入れ、貯める
*熨や底がある程度貯まったら、篩って「水漉し」分別と乾燥を施して、また炉灰に戻すため

***
*注
炭の燃えカスは宝、と書いたけれど
厳密に言うと、
一部は宝(良質の灰の原料になるもの)
一部はカス・ゴミ(良質の灰にはならない、茶の湯灰にとって邪魔なもの)
それを分別するために「水漉し」をするのである
***


すると、
火床には、無傷のキレイな灰だけが残るはず


そして、


●炉ならば

火床を改めて、
濡れ灰を撒いて火床を覆い、
・次の炭火を燃やす


●風炉の場合は

*毎回、灰を上げ、灰を入れ直し、火床・灰形を作るのが本式、とも言われる
・一度風炉から灰を全部出して、
・篩う
・篩に残った熨・炭クズは火消壷の熨と合流
・また茶の湯当日に灰を風炉に入れて灰形をつくる

*減った分の風炉灰を補充して、灰形を補修する、繕うというのは横着ヴァージョン
*風炉を出し、初風炉の灰形をしたら、そのまんま、灰形を微調整しては繰り返し使い、風炉をしまう時になってはじめて灰を上げる、という人もいる、とか
*そういう方は、茶事の際にも、灰形を一から作り直さないのだろうか?
*稽古でも、毎回毎回と言わずとも、なるべく灰を上げ、灰を篩って、入れ直して、一から灰形をつくりたいものだ
*それも、稽古だし、
*なにより、灰を上げ下ろしする作業そのものが茶の湯灰を育てるのだから


いずれにしても

いつもサッパリとキレイな火床で炭を燃やし、湯を沸かし、茶を点てて、頂きたい

そして、いつか、上等の茶の湯灰を所持する茶人になりたいな

by so-kuu | 2013-07-12 22:50 | 湯相・火相(炭・灰)
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