古田織部と細川三斎
共にいわゆる「利休七哲」にも数えられる大名茶人だ 秀吉に蟄居を命じられた千利休が堺に下る際、二人して淀川べりで師匠を見送った仲でもある 茶人としての功績も名高い二人 特に織部は、 茶の湯史にひとつのエポックを刻んだ 師・利休好みにとどまらず、自身の作意や桃山時代の気分を存分に表した「織部好み」で一世を風靡した 徳川秀忠に献茶し、将軍の茶の湯指南役となり、 利休没後の「天下一宗匠」と言われた 後、家康への謀反の疑いをかけられ切腹する 一方の三斎は、 師・利休の茶風を保存・伝承させたと言われる 自分の作意を出すことがなく、利休の茶風を固持し、 そのため茶人として名を取ることはなかった、とも言われる --- さて 先日 美術館で 竹花入を観た ひとつは △竹一重切花入 古田織部作 見た途端に違和感あり “武人として、こんな形、イヤじゃないのかな?” と感じたのだった というのは、 正面から見て竹筒の上部が少し向うに下がっている 人の姿に例えると、腰が引けているように見えるのだ その後、しばらくして、 永青文庫で ○竹二重切花入 細川三斎作 解説文として、 三斎の言葉が添えられていた 「前に踏み出したる心の竹吉ぞ」 --- You said it!!! 三斎公、すばらしいな --- 僕がこないだ見た織部の竹花入に感じたのもソレだ 僕は剣道をやるから 織部の花入の腰が引けた立ち姿がイヤだったんだ 三斎公の花入は、スッと立って、胸を張り、わずかに前掛かりの姿で 実に好ましく感じた --- さてさて いわゆる「茶の湯の歴史」においては 師の茶風の逆バリで茶の湯を革新した織部への評価は高く、 『へうげもの』の影響も手伝って、今でもずいぶんファンが多いようだけれど、 “利休の茶風を墨守して自身の作意を現さなかった”とされる細川三斎への評価は、比較的低いと言えるだろう けれども 僕は、好きだな、細川三斎 そして 僕は、細川三斎の茶の湯を大いに顕彰したい、と思っている (詳細は、改めて・・・)
by so-kuu
| 2013-07-16 22:33
| 茶剣禅一如
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