11月前半には、
炉開きはいつ? その2 2012年のマイ炉開きの時季をさぐる というページのアクセスが多い、と書いたけれど 炉の灰をつくる (「灰作りにこだわる真の茶人」より) 灰の勉強 炉灰編 などのページのアクセスも同じくらい多かった 「濡れ灰の作り方」で検索していらっしゃる方も多いようだった でも、 その炉の灰作りのページには、 「炉の灰は夏に作ります。」 と書いてある。 そう 炉開き直前になって炉の灰の作り方を調べるようではダメなのだ。 --- かくいう僕も 炉用の炭を注文して、 洗って、干しておくのを忘れていた (僕は大丈夫だったけれど、今年は炭が、特に国産の茶の湯炭が手に入りにくくなっているようで、とても残念。) (健康な山あって、木々あって、緑あって、お茶あって、水あってこその茶の湯なんだ) 準備・段取りが大事 心して暮らそう
--- そこで、 炉開きの前に準備することは・・・? というのをまとめておこう、っと --- ■炉の灰を作る というのは、炉開き直前に思いたっても、時すでに遅し、だ ・初風炉を済ませ、炉をふさいだ、5月後半 には、もう半年後の炉の灰をつくり始めるんだ、という人もいる 灰を篩って、炭の屑やゴミなどを除く作業だけでも、炉を閉じたらすぐに済ませなさい、という考えもあるわけだ また、最近では、GW明けの晴れ続きの季節には、夏日もあって、気温が高いし、紫外線は夏より強いし、灰が干せる、と言うひともいる で、 ・そのGW明け、または梅雨明けの土用に、いよいよ 最低限の水を加えて、水漉しして、 (流儀・考え方によっては)番茶や丁子の煮汁で灰を染めて、 (適度に)乾かして、 樽・容器にしまう という炉灰作りの作業の山場、 世間一般で言う、灰作りの苦労の時期を迎える そして、 ・樽の中で夏を越えさせて、自然乾燥させつつ、 (実はこの間に灰を育てている=ゆっくりと乾いていく間に灰が収斂する、という考え方もあり) 炉開きを待つ という訳だ ・炉開き直前(10月終わりから11月初めくらい)には、 自然乾燥によって黒砂糖のようになった塊状の灰を篩にかけて、 ざんぐりとした「湿し灰」にする 炭点前などで「湿し灰」として撒く分の灰は、甕などに密閉保管して湿気を保つこと 一方、炉壇の中にあらかじめ入れる灰は、もう少し乾かすこと (完全に乾いて灰神楽が立つような灰は炉灰ではない。湿り過ぎの灰は炉壇を傷めるらしい。なので、“適度に”乾かす) (上記は、表千家堀内宗匠などの方法。灰が乾いていく間に収斂し、よい灰になる、という考え方) (因みに、裏千家阿部宗匠などの方法では、夏の段階で乾かし篩ってから密閉容器に保管、とか) 炉灰は、湿り具合と共に、粒の粗さ・細かさにも注意 ・炉中の下地となる灰・・・乾きめ、細か目の粒灰 ・茶事の席入前に炉中を覆う灰・・・湿り気味に、やや粗い粒灰 ・炭手前で濡れ灰としてまく灰・・・黒々と湿ったもの、ざんぐりと粗めの粒灰 粒度の粗さ・細かさは、季節によっても調整するのが、茶の湯巧者 (厳冬期にざんぐり荒く、など) 灰は以上として 炉の準備には、他にもいろいろある ■炉壇の用意 ■畳替え ■炉の炭を用意 炉の炭はグッと大きくて、温かみがあるなあー、と毎年感じる 洗って表面の炭の粉や破片を取り去り、手が汚れるの・爆ぜるのを防止 冬になり、洗った炭が乾くのにもわりと時間がかかるので、早めに作業しておくべき (炉開き直前に困らぬように、毎年きちんと支度出来る茶人になりたいもの) もちろん炭の注文は早めにしておきたい (「ポスト311」の今、安心なクヌギ炭が入手困難になっていることは、きわめて遺憾) ■炉開きの茶道具組み 風炉の道具をしまいつつ、炉の道具を出す まず、 ・炭道具 ・・・は風炉と炉で殆ど入れ替える。 他にも、 ・炉縁 ・・・小間なら木地、広間なら塗 ・釜 ・・・大きな釜が嬉しい季節へ ・香合 ・・・やきものに ・香 ・・・香木でなく練香に ・柄杓 ・・・「身削ぎぞ風炉」、皮削ぎの炉用に替えると合も大きく感じる ・茶筅・茶巾 ・・・口切、初風炉、茶事では新しいものにしたい ・茶入・茶碗など ・・・炉開き・口切には、ビシッとした道具を合わせたいもの ・水指 ・・・炉開きには、瀬戸一重口水指、とおっしゃる向きも(*由来・意味合いは知らないなあ) ・「さんべ」 ・・・炉開き・口切には三つの「べ」のつく道具(ふくべ・おりべ・いんべ)を合わせる、とか。 (*これ、いつ誰が言い出したんだろう?意味あるのかな?・・・つまらない道具で無理やり「さんべでございます」と取り合わせているなら、それはドグマだ) ・掛物 ・・・炉開きの時には、これだっ!というのを掲げ、拝したいもの ・花 ・・・椿と照葉、という 椿は身近でまだ咲かないなら、ある花でよい、と思っている それが自然だから あるいは 椿が咲くのを待って炉開きする、というのが本筋なのかも 他にも、 ・「柿と栗」 とか、いろいろあるのかな・・・ (ちょっとまとまらないな、また書き直そう・・・自分用メモ)
by so-kuu
| 2012-11-25 23:47
| 茶の湯歳時記
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