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■炉の灰を作る 炉の灰作りは夏に行うのが通常です。 最初の炉の灰は、風炉の灰作りに準じて作られますが、 すでに使いこんだ炉の灰は、立秋前の土用、七月下旬から八月上旬の十八日くらいの間に作られ、 風炉の灰とは異なり、炉の灰、または湿し灰として作ります。 新しい灰と古い灰を分けて上敷などの上に広げます。 それから番茶ないしは丁子(フトモモ科の常緑高木)の煮汁を如雨露で注ぎ、天日にさらします。 さらした灰を乾かしながら、全体に湿り気がいきわたるように手でよくもみ、これを何回か繰り返したのち、 ほどよい湿り気を残したまま、粗い目の篩を通してふるい、 出来上がった灰を壺などに収めます。 壺などは密封して直射日光のあたらない場所に蓄えておき、 開炉の時期になって初めて炉に入れるのです。 しかし一年や二年の手入れでは、なかなか上質の湿し灰は出来ません。 この手間のかかる地味な灰作りを年々繰り返しているうちに、良い風炉の灰や炉の湿し灰が出来るわけです。 少なくとも30年以上、繰り返し手入れをした灰でないと「極上の灰」とはいえないといわれています。 そんなことから、ある老巧な茶人が火事に際して、貯蔵していた灰を一番先に持って避難したという話があるほどです。 この話からも古今の茶人たちがいかに良質な灰作りにこだわってきたかが窺われます。 「灰作りにこだわる真の茶人」より、裏千家・業躰、阿部宗正氏の言葉 (『灰形と灰をつくる』4頁) *** いわゆる、一般的な炉灰の手入れ、湿し灰の作り方手順。 ・番茶をかけるかどうか? ・水を大量にかけるかどうか? ・ふるった粒状灰にしてから保管か?壁土のようなねっとりとした塊の状態で保管(自然乾燥)するか? など、灰作り・灰の手入れには、いろいろ考え方もあろう。
by so-kuu
| 2012-08-28 07:05
| 湯相・火相(炭・灰)
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