北村美術館の春・秋の企画展示は、茶事形式で楽しい。
都合がつけば観に行くようにいしている。
2012年春は「野遊の茶」。
・寄付
・懐石(魯山人作品で、テーマとは必ずしも関係ないが)
・薄茶席
・野点席
からなる。
見ものはいろいろあったけれど。
・野点の釜まわり
が楽しい。
地面に、三本の木を組んで立て、
蔓で薬缶を吊るし、
松葉と小枝で湯を沸かす趣向
その三本の木の樹種を違えてあるのが、さすが。
北村謹次郎氏の茶名は「宗親」だそうで。
“立木を見る”と書く「親」の字を名乗るとは、いかにも林業家としての矜持を示している。
四君子苑でも、材木・銘木が見もののひとつだけれど、野点の仕立てにも唸らされる。
そして、何より
・古雲鶴手筒茶碗 銘「疋田筒」
が素晴らしい!
大名物、という肩書は僕にはどうでもよいけれど。
ビックリするような出会いだった。
なんとも、キレイな器肌の色。
一般にくすんだ青緑というイメージがあった雲鶴手だけれど。
「疋田筒」は、いわば、ブルーグレーだ。
明るく、淡い青みの、その発色が実に潤っている。
その色合い、肌合いが、みずみずしくて、ひどく印象に残った。
他の名物「挽木鞘」なんかと比べて、筒茶碗としては、背は低めで、
半筒くらいの感じが、また奥ゆかしいようで、よかった。
展示を観る前に、北村邸「四君子苑」を観た。
春の特別公開中だったのだ。
その話は、別のページで改めて…