【茶人とは?】 茶席の最中、亭主に道具の取り合わせについて意見する正客 (蕉雨園・初夏の茶会にて)

2009年5月17日(日)、東京・目白台の蕉雨園にて大寄せ茶会があった

遊びに行った人の目撃談より、お正客の言葉を書き留めてみることに…


***




(濃茶入を清めている点前最中に…)

正客「あら、こちらは裏千家さんでしたっけ、お裏さんでは女性も茶入の胴拭きをなさるんでしたっけ?私ども表千家では、女性は胴拭きはしないんでございますが。」 

(…席主・点前役とも無言で答えず)




(濃茶が練られて畳に置かれたが、点前役が出服紗を懐中するのを忘れた模様。半東が水屋に出服紗をとりに戻ると…)

正客「あら、せっかくのお茶が冷めちゃうわぁ。私、お茶碗を取り込みに出ましょうかしら?」

(…半東が水屋から出服紗を持ち出し、濃茶と共に正客のもとへ運んだ)




(茶が出た後、席主が水指の説明をして)

席主「水指は共蓋となってございますが、求める際に『塗蓋も誂えて頂けるなら買いましょう』と言って作って頂きましたので、後ほどご覧に入れましょう」

正客「ご亭主の先生に対して、年下の私が申し上げるのも恐縮なんでございますが」

正客」私は塗蓋の方が良いと思うんです。」

正客「共蓋と塗蓋では、塗蓋の方が位が高いんですから、濃茶席には塗蓋が相応しいと思うんです。」

(その後、仕舞い・道具拝見の段になって、水屋から塗蓋を持ち出し、共蓋と取り替えて客に見せたところ…)

正客「あら、やっぱり。塗蓋の方がよくてございますわよ。」

正客「ご亭主先生が『塗蓋があるなら買う』と仰った意味が、私、今、よーく解かった気がしますわ。」


***


さて

如何???


この正客は、茶人だろうか???

この正客にも、弟子がいて、「先生」と呼ばれているのだろうか???



僕が感じるには・・・




・濃茶席で濃茶が出るまでの間は口を利くな

(亭主側から声を掛けられ、答える場合はよかろうけれど)
(“大寄せ”式で、濃茶が出る前にも会話を進めよう、というコンセンサスがその場にあるならいいけれど)

・他の流儀の点前について、批判的な口を利くな

(流儀によって、それぞれに、点前・所作、よしとするものは違ったりするのだから)




・他人さまの落ち度を責めるな
・批判を言葉や態度に出すな、匂わせるな

(確かに、亭主にミスがあった。けれど、それをわざわざポイント・アウトするほどのことではなかろう)

(自分と連客が美味しい茶を飲むのと、亭主に恥をかかせないのと、どちらが大切だろう?)

・仮に亭主側の不手際で10秒ロスしたとしよう。正客が自分の所作を10秒早くすれば、次客以降は、何事もなかったように、美味しいお茶が飲めるじゃない?

(冷めたまずい濃茶を飲ませるな、と亭主に言っているようなもので失礼極まりない)

・亭主の落ち度をカバーするのも正客の仕事の内であり、正客にはその力が求められている

(亭主のミスをあげつらうなど、亭主のミスをカヴァーするだけの正客としての度量も技量も自分にはない、と皆に明かしているようなもの 滑稽だ)




・“年配者・先輩に意見すべきでない”と感じているなら、何も言うな
・亭主の道具組みに意見するな、特に客の意見や考えなど求められてない



うーん。

茶人、って何をもっての茶人なんだろう?






追記1:


江戸期の茶人、川上不白は書いている:

「主ト成賓ト成リ
主落ナラ客より引取リ
客落ナラ主よりタスケ
程能クいつとなく済也
此時我ト人トナシ

当世ハ
客ハ主ノ仕落ヲ見付出して楽ミ
主ハ客へ一フシ以テ参リ
或ハ上手ヲ見せ付
或ハよき所ヲ一ふく点て見せんなとと
主賓敵同士の如し
ワレワレ故上手モナシ
誠のめい人ナシ

誠のめい人と申ハ
能キ所ヲ見ニ行クカメイ人也
悪イ所ハ見て役ニ立ヌ物也
又面白ナキ物ナリ
誰か目ニモ能見へるナリ
誠ニすんなり其隙ニテ能キ事ヲ見出スか徳也 又礼也 又真也」


さあ、如何???





追記2:


焼物水指の共蓋と塗蓋、格が高いのは、実際、どちら?
(詳細、別の記事にて)
[PR]
by so-kuu | 2009-05-18 12:59 | 茶人 | Comments(0)
<< 【マイ歳時記】 梅雨のはしり ... 【水指】 共蓋と塗蓋、格が高い... >>