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根津美術館 中世人の花会と茶会 (無一物・伊勢の海・白桃・柴田など)

根津美術館に行った。

先月はKORIN展・初夏の茶。
今回は、「中世人の花会と茶会」・「雨中の茶の湯」

唐物を中心とした室町期の名品と、
千利休に至る茶の湯の道具類。

特に、長次郎の赤楽茶碗「無一物」が頴川美術館から特別出品されている、というのが見もの。

気になった道具についてメモ。


・青磁筒花入 銘 大内筒

そっけないほど、実にすんなり
背面には掛け花入として使うための金具をつける穴あり


◎砂張釣舟花入

小型でカワイイ


◎茶壺 銘 四国猿

釉の飴色濃く、落ち着いてキレイ


○肩衝茶入 銘 松屋

いわゆる松屋肩衝
デカイ
肩はカッキリと張り、口づくりもカッチリとした造りだけど
まるん、としている

釉は赤茶で明るい色調
釉なだれはメラメラとしている
蓋にス入り

袋が4つ添っている
①龍三爪緞子…村田珠光好み
②木綿間道…千利休好み
③波梅鉢文緞子…古田織部好み
④捻梅唐草文緞子…小堀遠州好み

名物だけど、欲しいか?といえば、そうでもない


◎青井戸茶碗 銘 柴田

いわゆる柴田井戸

いやー、美碗だな
キレイ
なんか清々する

根津翁が「時代」(経年の汚れ)を落としたことに賛否両論あるようだが、
僕は支持したい

青井戸の代表とされるが
形・頃・具合と申し分ない


・雨漏茶碗

いわゆる雨漏手を代表する名碗、とか
僕個人には、ピンとこない

地肌はやや黄味がかっている
雨漏りは、薄むらさき色だなー

特に、外面の轆轤目と歪みゆがみの器形が、いまいち好きでないんだな


◎南蛮縄簾水指

ほんのわずか背が低めとも思える
素直な形が好もしい
縄簾文が細かくキリッとしてよし
肌合には変化なく、全体に暗く煤けた感じ

僕は南蛮縄簾水指が好きだ
あればよーくみてしまう
出光美術館のものが今まででは一番心に残っている


○信楽鬼桶水指 銘 龍鱗

轆轤目の巡る肌がグワサッとして荒々しい
初期茶人たちの眼、侘び好み、見立ての心が伺える一品だと思う

あと、
デカイ!
風炉釜が大きかった頃の好みかも
炉の四畳半に一つ置きにしてもかなり存在感あるなー
前に置き合わせる茶入・茶碗はどんなのにしようか、考えちゃうなー


◎黒漆大棗 羽田五郎作

黒漆はやや変色して茶紫色
蓋にひび有り、鎹が打ってある
形はやや角ばった紹鴎形
袋は、やはり紹鴎緞子
宗旦書付


△唐銅三具

利休→今日庵、とあり
そう?本当?
会記などの資料あるのかな?

△狂言袴茶碗 銘 ひき木

茶色い
疋田筒とはずいぶん違うな
金森宗和・久須美疎安の箱


・井戸香炉 銘 此の世

利休所持として知られる
井戸の香炉とは珍しい
けど、それ以上の何かか?


・茄子茶入 銘 志賀

ツヤツヤ
利休→道安→石州


・桑中次 千利休花押

「伝利休筆」とある
というのは利休筆ではない、ということ?
「利休筆」と「伝利休筆」の違いを、教えてもらいたい


さて、
2階の奥の展示室は、「雨中の茶の湯」のテーマで展示


◎土風炉 19世紀

すごくナリがよいと思う
キリッとしている
わずかに平たい
肩には丸み、腰はスパッとした角
蓮葉形釜とよくあっている
小板は真塗


となりには

・青磁雲鶴文水指

が合わせてある

わずかに小ぶりだが、ちょうどよいコロ

梅雨時のお茶に、黒と青とが清涼感を

茶器は赤茶の溜塗の

・竹中次

塗りになだれ様のものがあって珍しい


○雨漏茶碗 銘 千鳥

雨漏りでも
ポツポツしたのではなくて

大きな斑状に変色している


◎井筒蓋置 膳所

カチッと井筒型で膳所釉
なるほど、いいな、こんなのも


○鬼熊川茶碗 銘 白桃

僕は熊川茶碗が好きだ
けれど
どうも違うな

コロはやや小ぶり
ナリはいわゆる熊川形
見込の「鏡」は中サイズ

肌は・・・
外側に刷毛目のような荒れた水挽き跡が回る
内側には青みがかった釉が垂れている
釉はわりとツヤッとしている
そうか、その辺で「鬼」熊川って言うのかな

真熊川と鬼熊川の違いがわかったような気がする

僕が好きなのは、真熊川の方なんだな
特に独特の細かい貫入と肌の色合い

でも、カワイイよい茶碗


○祥瑞水玉文茶碗 景徳鎮窯

小ぶりの筒型でちょっと尻ふくら


☆瀬戸唐津茶碗 銘 伊勢の海

本手と皮鯨手との中間的
ナリ・コロ・グアイ(ここでは、風合いなど)、実によし
少庵井戸に似た形か
ゆったりとして
飾るところがなくて
茶が練りやすそう、茶が美味しく飲めそう

うれしい出会い


☆赤楽茶碗 銘 無一物 長次郎作

(・・・は別ページにて詳述)

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by so-kuu | 2012-06-23 23:00 | 茶道具 | Comments(0)

長次郎作赤楽茶碗「無一物」の正面はどこ?

赤楽茶碗 銘「無一物」 長次郎作 を観た





赤楽茶碗 無一物の正面はどこ?


僕がご亭主なら、

どの向きを正面にして、

お客さんに差し出そうかな?


あなたがご亭主なら、

どの向きを正面にして、

お客さんに差し出しますか?


我こそは、というお茶人さんのご回答をお待ちます。

(コメント欄に、あなたのお考えを、お寄せください。)
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by so-kuu | 2012-06-21 12:36 | 茶道具 | Comments(3)

火相・湯相を決定する要素とは…?

いつでも狙った時間にピタリと湯が湧かせる茶人になりたい

そのために

火相・湯相を思い通りにコントロール出来るようになりたい


では

そもそも

火相・湯相を決定する要素とは、何と何と何があるのか?

それを把握してなくっちゃ、話にならない


実践・実験・観察から得たところを、ちょっとメモ書きしてみる


●水・釜

釜の大きさ・釜に入れる水の量
手前の際に釜に水を足すか足さないか
水温

●下火

下火の量
下火の熾り具合
下火を火袋のどこに置くか

●炭

炭のサイズ
炭の乾き具合・湿り具合

つぐ炭の量
つぐ炭の位置
つぐ炭の組み方

炭の間に通気があるか
炭の間、火袋で対流が起こっているか
火持ちをよくしたい場合は、あえて通気を抑制しているか

●火袋

火袋のサイズ
火袋の形
火袋の底から釜底までの距離

●灰形

灰形の形状(通気・対流を促す形になっているか?)
灰形の断熱性
篩いたての灰を使っているか
灰を押し固めていないか

●灰そのもの

灰の良し悪し
灰自体の断熱性能
灰がふんわりと空気を含んでいるか
灰に雑物・不要成分が含まれていないか
灰の粒度がちょうどいいか
手をかけた上質の灰か
灰の乾き具合(特に風炉灰)・湿り具合(特に炉灰)
灰の管理・保管は適切か

●その他

炉壇が冷え切っているか、暖まっているか
茶室の通風

…などなど

そうした沢山の要因を理解・把握しながら、全体として上手にコントロールできるか?

いや、

そんな風に、理詰めで行けば必ず上手くいく、というものでもない


ああ、面白い


一期一会の茶事においては、


季節
天候
気温・湿度

によって、炭火の燃え具合も、はじめの水の温度も、湯の煮える様子も違うだろう

●茶事の形式

風炉正午茶事などでは、急ぎ30分程度で湯を沸かしたい
炉正午茶事などでは、火持ちをよくして、約2時間後まで煮えを保っていたい
風炉朝茶では、懐石の終わる頃(炭手前後、1時間~1時間半ほど)に湯が湧き、懐石の間部屋が暑苦しくないようにしたい

…茶事の形式によって、湯を沸かすのに急ぐか?ゆっくりよいか?が異なるので、
下火・炭の継ぎ方、水を足す・足さないなどが変わってくる

また、
お客さまがどんなペースで呑んで食べるか、即ち

●懐石の所要時間

は亭主が勝手にコントロールしにくい要素だ
まあ、それでもなんとか予定通りに進行させるために、亭主にはそれなりのテクニックもあるし、
一方の客も、火相・湯相を観察・配慮しながら亭主を助けるのが茶人としての心得

もちろん、懐石の所要時間は、料理の腕前にも依る


ああ、面白い


洗練された、大人の焚火・大人のおままごとを、存分に、またサラリと、楽しみたいもの…
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by so-kuu | 2012-06-15 06:54 | 湯相・火相(炭・灰) | Comments(0)

炭が点かず、湯が煮えない理由は…?

火相と湯相について実験・観察を重ねていて

上手く炭が熾ったり、時間がかかったり
湯が気持ちよく煮えたり、なんだかさみしげだったり

そんなこんなを、よーくみてみるようにしている

自分の風炉釜をいくつか出して、いろいろ実験してみたり
稽古場で灰形や炭つぎをさせて頂いたり


このところ気になっているのは…

ある切合鬼面風炉の炭がよく燃えず、消えやすく、湯が湧きにくく、松風が消えやすい、ということ

その理由は何なのか?

解明したいのだ
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by so-kuu | 2012-06-15 06:38 | 湯相・火相(炭・灰) | Comments(0)

いつでも狙った時間にピタリと湯が沸かせる茶人に

 
***

炉なら1時間半後に、とか
風炉なら、30分後に、とか
今日のお客はゆっくり呑むだろうから、2時間後くらいかな、とか
風炉正午茶事で、続き薄茶の予定だから、急ぎ湯を沸かしつつ、同時に火持ちもよくして、湯の沸いている時間を長くしよう、とか

いつでも狙った時間にピタリと湯が沸かせる、
火相と湯相を思い通りにコントロール出来る、

そんな茶人になりたい


***


このところ、
火相・湯相について、
度々実験を繰り返し、
いろいろと書き留めているけれど、

要するに、そういうことだ。
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by so-kuu | 2012-06-13 22:54 | 湯相・火相(炭・灰) | Comments(0)

初炭には、形式以上に独自の研究と工夫が要る

***

初炭のことについていろいろと考えてまいりましたが、炭手前における置き炭の美しさや、またそのおもしろさに重きをおくのはむしろ後炭の場合であり、無論これには別に技術が伴うわけでありますが、
初炭についていえば、いわゆる方式とか形式以上に、湯相を中心に、自らの研究と工夫とによって独自の実力と技量を身につけてゆくよう努力すべきであると思います。

***

(堀内宗心 『茶事を学ぶ』 初炭の項より)


・・・激しく同意!!!


よーし、精進精進。
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by so-kuu | 2012-06-13 22:47 | 湯相・火相(炭・灰) | Comments(0)

炉・正午の茶事では、密着させて炭を置く

炉の季節の茶事における炭の置き方について、
面白い言葉を見つけた

***

炉の茶事では、風炉の茶事と違って、
炭置きをしてから懐石となります。
後座の濃茶まで火がもつように、
炭と炭の隙間を空けず、密着させて置きます。

***

『茶の湯の基本 灰と灰形―作り方、炉・風炉のすべて』
淡交社編集局
より


…なるほど!


懐石で御馳走を出したがる、食べたがるお茶人さんも多いように思う昨今、
こういう、火付きを遅くすることで火持ちを長くする炭置きのテクニックも、実用的だな

例えば
2時間かけて、ゆっくり、たっぷり、料理を振舞いたい、というご亭主は、
2時間20分後に濃茶ベスト湯相になるように、下火と炭手前をすればいいんだ

そういう考え方もありだよなー

僕個人は、懐石料理を張り込み過ぎるのは好みでないので、サラリと短時間で懐石を済ませたい派だけど


いずれにしても、
炉には炉の、炭のテクニック、火相・湯相の工夫があるんだな


風炉の炭置き
(とにかく短時間で炭を熾し湯を沸かしたいため、通気のよいように炭を組む)
とは、対照的で、面白い


また
火持ちを良くするため(火が早く熾り過ぎない)の技術として、
墨を密着させて、通気を抑え、あえて酸素供給を少なくする、
というのが科学的でいいな

茶道の教本には、とかく点前の順番とか、そういうことしか書いてないけれど
ただただ、そういうのに乗っかってちゃダメだ
点前で決められた通りにやっていれば、まあ、なんとなく、それらしくなる、というだけじゃダメなんだ


実践して、茶の湯のきまりどこを、自ら発見しなくっちゃ


例えば、
別のお茶人さんは、
同じ目的(炉の茶事で初炭後の火相・湯相を濃茶まで持たせる)ために
墨の置き方でなく、
下火の火力を抑えておく
(下火を少なめにして、熾しすぎないようにする)
という方法をとっている

(詳しくは別ページで)


それぞれの茶人が、実践を通じて、自分なりの火相・湯相のテクニックを持っているんだろう


僕も
実践して、発見して、
僕なりの技術を身につけなくっちゃ


さてさて

灰と灰形の本も数種あるけれど、
この本は、
サンプルの灰形写真がすごくキレイで
内容も網羅的で良
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by so-kuu | 2012-06-13 22:46 | 湯相・火相(炭・灰) | Comments(0)

懐石と火相・湯相 ~ある茶事にて

ある茶事でのこと


懐石がたいそうなご馳走で時間も長くなり、
懐石の間に、湯相が峠を越え、釜の煮えがずいぶん落ちた
そんなことがあった

中立でも火相・湯相を直さず、
当然、濃茶はぬるかった

さらに、後炭もせず、続き薄茶だった
松風は消えて、さみしかった


その茶事を評して、客の一人が言った

「ご馳走がふるまいたかったんだね」


茶の湯とは・・・?

と考えさせられる経験だった





追記:


もちろん、茶の湯はひとそれぞれでよい、と思う
懐石がなにより好き、という茶人もいてもいいんだ

けれど

なにより、茶の湯においては、全てを濃茶一服のために工夫するのでは?
とも思うなあ

料理も、茶懐石ならば、湯相に合わせて、献立・所要時間を管理すればいいんだし
または、懐石の時間を考えた上で下火・炭手前を工夫すれば、
たっぷりした懐石と、最高の湯相での濃茶を両立することも出来るはず


大変、勉強になった
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by so-kuu | 2012-06-13 22:42 | 湯相・火相(炭・灰) | Comments(0)

炉・正午の茶事では、下火を抑えておくことが必要

***

いよいよ炭手前となって下火を直すときには、後の炭を置きやすいように炉の懐の中央よりやや向こう寄りに寄せてまとめますが、私の経験から申しますと、正午茶事の場合、この下火の火気をある程度おさえておくことが必要であるように思います。
昔の茶事と比較しますと現在の茶事は一般に客数が増加しがちであり、しかも懐石が非常に形式化して丁寧になり、これにまた長時間をかけるようになってまいりましたので、
現在の炭の寸法では、濃茶点前のときに湯加減を最適にもってゆくためにはかなり下火の勢いをおさえておかないと、炭が早くに火になりすぎて肝心のお茶のときに湯の煮えが衰えて役に立たぬことになります。

さて、ここに下火をおさえると申しましたが、実はこの手加減がむずかしいところで、私も何年か前、この下火をおさえすぎて炭へ火が移ってこず、ついに鎮火させてしまって、やむなく中立ちの間に湯と火をつぎかえて茶事をした苦い経験を一、二度もっております。
これは後でわかったのでありますが、水で洗っておいた炭を、その乾きのよくないままでやむなく使っていて、そのことを勘定に入れていなかったためでありました。

***


(堀内宗心 『茶事を学ぶ』 初炭の項より)


・・・なるほど。


ちょっと思い出したことあり
(別ページにて)

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by so-kuu | 2012-06-13 22:38 | 湯相・火相(炭・灰) | Comments(0)

下火と初炭は茶事の死活を担っている

***

初炭というのは濃茶の準備の第一に位するものでありますから、考えようによればその日の茶事の死活を担っているものであります。
(中略)
一口にいえば非常にたやすいことのようでありますが、これがたいへんむずかしいことなのであります。
(中略)
と申しますのは、ただの稽古点前なれば手順にまちがいもなしにただ炭を上手に美しく、また火がよく熾こるように炭を置きさえすればそれでよいようなものでありますが、
実際の茶事の初炭となりますと、この炭でわかした湯の湯加減を、後の懐石、中立ちも過ぎて濃茶のときにそのベストコンディションに持ってゆかねばならぬからであります。
したがってこの初炭はもちろんのこと、席入り前に致します下火の用意のときからすでにその日の茶事の運命が定まってしまうというふうにも考えられるのであります。

***

(堀内宗心 『茶事を学ぶ』 初炭の項より)


・・・全く同感。
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by so-kuu | 2012-06-13 22:34 | 湯相・火相(炭・灰) | Comments(0)