カテゴリ:湯相・火相(炭・灰)( 52 )

よい「茶の湯灰」の作り方 … 「水漉し分別」法 (を比較検討してみる)

炉の季節
もう少し炉灰があれば
と感じた

特に
底の浅い透木釜を使う際などには
炉中にかなり沢山の灰が必要だし

撒き灰も
灰器にたっぷり盛って出したいし
たっぷり撒きたいし

また
風炉灰への補充に
少しずつ取られていくものだし

やっぱり
炉灰は
たっぷり用意して
十分に持っておきたいもの

ということで

追加分として
改めて
生灰から
茶の湯灰を作ることに

作業して感じたことなど含め
またメモっておく


●茶の湯灰とは?

・茶の湯に用いる灰
・クヌギ(くぬぎ炭)の灰をよしとする
(茶の湯灰としての機能と美しさをもつよい灰に育つのはクヌギが第一とされる)
・炭以外のゴミ・不純物や灰のうちでも育つ見込みのない成分を取り除いたもの
・適度な粒の大きさ(炉灰・風炉灰それぞれに)
・熱・空気・水分により変質し、茶の湯灰として育ってゆく灰

●よい茶の湯灰とは?

・断熱性が高い
・適切な粒度
・炉中での扱いやすさ(灰匙から滑りやすい等)
・風炉灰形の作りやすさ(まとまり・重み)
・色合い(炉ではしっとり湿って暗褐色・よい風炉灰は得てして黄ばみがかっている)
・風合い(炉ではざんぐり・風炉ではキリリなめらか)

●茶の湯灰の作り方

・椚の生灰を用意
・バケツ半分まで灰を入れ、7・8分目まで水を注ぐ *アクは抜きすぎない
・よくよく攪拌する
*大小微小の灰粒やゴミを水の中で完全に分離する
*上に浮いてくるゴミ・炭粒などは掬いとって捨てる
・すぐに水漉し 1回目(細目篩)
*篩にはゴミとザラっとした灰が残る→全て捨てる(茶の湯灰としては使い物にならない)
・すぐに水漉し 2回目(極細目篩)
*篩にはドロッととした灰とゴミが残る→全て捨てる(一見灰に見えるがよく育たない灰なので捨てる)
*水漉し分別によって、茶の湯灰作りの第一工程で「茶の湯灰のエリート」を選抜し、「よく育つ灰」だけを大切に育てる、というやり方
・半日~1日放置して灰と水を分離させる
・上澄み水を捨てる 1
・さらに半日~1日放置して灰と水を分離させ、余計な水気をしっかり切る
・上澄み水を捨てる 2
・上澄み水を捨てきったら、灰をよく混ぜる(トロトロの極め細かい灰だけになっている)
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・トロトロの灰を新聞紙5・6枚の上に並べる(ハンバーグ状に)
・灰の上にもう1枚新聞紙を重ねる(ホコリと直射日光を避ける)
・灰を適度に乾かす
・保存容器にしまう
・炉開き直前まで保管
*時折乾き具合をチェックする
・風炉灰を作るには、さらに細かくなるように、練る

●茶の湯灰作りにおける「水漉し分別法」

茶の湯灰の作り方にも色々流儀があるようだが
上記の方法では
灰を「水漉し分別」している
そしてのその際の篩の目が(世間一般に流布している方法と比べて)ずいぶん細かい
懐石の味噌汁を漉すスイノウのように目が細かい(乾いた灰など通らない)
そこが肝だと思う
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2回の水漉し分別で選別された灰はトロトロで細やか
反対に篩に残った灰は
1度目はザラザラ
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2回目はドロドロ
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2回目で残った灰など、一見灰として使えるようにも思える

原料である生灰のうち3割程度を取り除き捨てることになり
ちょっと
もったいないようだが
いやいやいやいや
全くもったいなくない

なぜなら
篩に残る灰は、灰に見えるが、よい灰ではないからだ
茶の湯灰として使っていっても、よい茶の湯灰に育つ見込みのない灰なのだ

反対に
篩を通った極めて細かい粒子の灰だけがよい灰に育つ灰なのである
*風炉灰としては、この極細かい灰を、練って、さらに細かな粒子の灰にしてから使うことになる

この「水漉し分別法」による茶の湯灰作りとは
言ってみれば
茶の湯灰のエリート選抜試験
である

少数精鋭を
さらに鍛えて
極上の茶の湯灰を手に入れよう
という魂胆なのである


●比較として

別の(よく聞く)灰作り方法を紹介して比較する
(*印は比較コメント)

・生灰を用意
・荒目篩で篩う(乾いたまま)
 *ゴミ取りだけで灰の分別効果はない、荒目篩で取れるようなゴミは後の工程で水に浮くので不要の工程では?
・中目篩で篩う(同上)
 *ほぼ同上、乾いたまま灰を篩う工程は不要では?
・上記の篩に残った灰・固まった灰の粒は磨り潰して灰に混ぜる
 *育たない灰(=ゴミ)をわざわざ微粒子にしてからよい灰に混ぜる行為
・灰をバケツに入れ、水をたっぷり注ぐ
・浮いてきたゴミを取る
・しばらく放置して灰と水とを分離させる
 *ここで「水漉し分別」しない、乾いた灰を篩うだけでは灰の分別効果はなく、
・上澄みの水を捨てる
・再度バケツに水をたっぷり注ぐ→分離→上澄み捨て、を3回~5回繰り返す
 *往々にして1日で全工程をしており、灰と水を分離させる時間が短く、結果、残したい方のよい灰を水と一緒に捨てている
・残った灰をムシロの上に広げる
 *ムシロの目の中に灰がくっついて取れず、相当な量の灰いこーる大事なお宝を捨てている
・番茶をかける
 *茶の湯灰に番茶を掛ける必要があるか?否か?は諸説あり
・乾かす
・乾いてきたら、灰を手で揉み合わせる
・番茶掛けて→乾かして→揉む、を3回~5回繰り返す(土用の晴れの日に時間の許す限り行う)
 *コロイド状液体の灰が乾燥する過程で、灰同士が結びつこうとする性質が増す、との説有
 *であるならば、湿って乾いて、液体から粉体へ、を繰り返す事においては一定の効果がある方法では?
・荒目篩で篩って、撒き灰の状態にしてから、容器に保管
・炉の季節になったら、そのまま使う
ここから風炉灰をつくるには
・炉灰を完全に乾かして
・乳鉢で磨る
 *育たない灰をわざわざ磨って微粒子にして、よい灰と一緒くたにする方法
・風炉灰用の容器で保管
以上

総じて、
よい灰に育たない灰を取り除かず、そのまま使う方法、と言える
炉灰では違いに気づかないこともあるかもしれないが、
特に風炉灰では、その後の育ち具合・育ってゆくスピード・年期に違いが出るはず
というのも
これまで一般に
「よい風炉灰を手に入れるには数十年かかるものです」
と言われてきた
これは育たない灰をそのまま使っているからかもしれないのだ
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(画像は水漉し分別1と2でふるいに残ったもの、捨てるゴミ灰)
よい灰の中に、永遠に変化しない、決して良くならない灰が3割も混じっていたら、
全体としてよくなるのに数十年かかる、というのは、そりゃそうかも
でも、それは決して仕方ない話ではない
育たない灰を除けばよいのだから
反対に
よい灰100%ならば、育つのは早いはず
であれば
よい灰だけを選別して、スタートしよう
「水漉し分別法」によってエリート選抜組としてスタートした茶の湯灰は
5年ほど炉灰として使い、熱・空気・水に触れ、
それを材料にして、
さらに適度に細かな粒度まで練って作った風炉灰にすれば、
(使用と手入れの頻度にもよるけれど)
1年のうちに黄ばみ初め、
2・3年も使えば、従来式の10年・20年ものの灰のように良くよなってくる、と言う
そう聞けば・・・
why not???

●ポイント

といっても
その粒の全てが同じものではないんだ
という認識が大事かな

灰とゴミ、だけではないんだな
ゴミと、よく育つ灰と、その間に、灰だけど育たない灰、というのがある
茶人には、まず、その分別がある事が大事
それを知れば、
自分の茶の湯灰をどんな風に扱うか?
自ずと知れてくる、と感じる

そして
よい灰になる素質のある灰だけで初めて
丁寧に丹精を続ければ
自分の茶人人生の途中で
極上の茶の湯灰を手に入れられる
キリリとしてなめらかな灰形を作れる
と思えば
それは
大きな希望じゃないか?

茶の湯灰は侘び茶人の大事な道具の一つだと思う




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by so-kuu | 2016-05-03 22:26 | 湯相・火相(炭・灰) | Comments(0)

マイ茶の湯灰の手入れ (炉灰 その2 土用干し 2014)


ここ数日
東京では
炎天が続いて
夕立もなく

炉灰の手入れにはもってこい

---

さて

僕は
今年は

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というのは
炉中の灰のうち、
炭クズや熨を含む灰・・・A
を取り上げて、
それを水漉しして、乾かした

土用の今、手入れするのは、
炭クズや熨を含まない灰=不純物を含まない灰・・・B



当然、ゴミや熱に負けた炭の微粉末などの不要物を取り除く水漉し分別は要らない

簡単に言えば、
一旦濡らしてから、
天日干しして適度に乾かし、
容器に入れて保管する

ということ


---

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・炭クズ・熨などが混じっていれば、はじめに、灰を篩う
 (粗目篩、大きなゴミを取るのが目的)
・炉灰に水を加える
 (ヒタヒタになる程度、最低限でよい)
 *水が多過ぎると灰のアクが抜け過ぎる
 (アクといっても、それが風炉灰にとって有用成分みたい。なので抜き過ぎない)
 *その意味で、僕は、灰を広げて、番茶を掛けて、手で揉んで、乾かして、を繰り返す、というタイプの手入れ法は採用していない

・かき混ぜる
 (灰と水を均一に混ぜ合わす)

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・すぐに浮いてくるゴミ・炭クズ・泡状のアクは掬い取って捨てる
・水漉し①細目篩
・水漉し②極細目篩
 *上記の通り、今年は、立夏の頃、炉の上の方の(=灰クズや熨などが混じった)灰は全て取って、先に手入れした
 *なので、この土用に手入れする灰は、水漉ししない
 (灰クズや熨などが混じっていないから水漉し不要、との判断)
・しばらく放置
 (一晩程度、トロトロ灰と上澄み液を分離させる)
・上澄み(透き通った水)だけを捨てる
 (この時灰を一緒に流さないこと)

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・トロトロの泥状の灰だけが残る

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・日なたに新聞紙を広げる
 (5・6枚程度、新聞紙の吸水力が灰の渇きを促進)
 (新聞紙なら灰が乾いた際にキレイにはがして回収出来る)
 (更に新聞紙を乾かして粉状の灰を筆で容器に掃きとれば灰のロスが殆どない)
 (*タオル・茣蓙など使うのはオススメ出来ないな。灰が入り込んで、乾いても取れない分が多くて、相当のロスになる…お灰さまがもったいない)
・モッタリ泥灰を広げる
 (おはぎ状に並べる)
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・上に一枚新聞紙を乗せる
 (ホコリよけ)
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・灰を適度に乾かす (丸1日から1日半程度か、天気に依るので様子見ながら)
 *分厚い煎餅のようになった灰を取り、割って、中の渇き具合・湿り具合を確かめる
 *あるいは、一つ取ってみて、手で握って丸めてみる (ポロポロでまとまらないなら乾き過ぎ、泥団子状の灰から水分がにじみ出るようならもう少し乾かしたい)
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・灰保管容器に取り込む
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作業はここまで

・炉開き前まで保管

---


夏の土用のうちに炉灰の手入れが出来



そして明日はもう立秋だな




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by so-kuu | 2014-08-06 22:04 | 湯相・火相(炭・灰) | Comments(0)

風炉灰をふるう (立夏2014)

風炉の灰をふるう


本来は
茶事の朝に毎回
灰を篩って
一から風炉の灰形を作るもの

稽古でも
毎回
風炉から一度灰を上げ
五徳を決め直し
篩った灰を入れ直して
灰形を作るのが本道
とも


今回は
マイ初風炉のため
また
灰形稽古のために


道具は

・風炉用灰容器(2つ用意)
・灰篩(粗目・細目・極細目のうち、細目のみ使用)
・柄杓またはお玉
・筆
・新聞紙など(こぼれた灰を回収するため)

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細目篩いに通すだけで
時間もそれほどかからない

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↑しばらくしまっておいた風炉灰は
お玉ですくう際にも重くて固い感じ
それを篩って、空気を含ませ、ふんわりとした灰にするのが、この作業の目的


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↑篩いには殆ど何も残らない
若干の炭の微粉末、固まった灰粒が残る程度

*日日の手入れの際に、炭くずや熨・底を完全に取り去るようにすれば、
 保管する風炉灰はキレイな灰で、篩ってもゴミなど出ないのは当然
*ただ、その分、使える風炉灰も沢山取ってしまう(その灰は炉灰を水漉し手入れする際に炉灰に戻す)
*減った分は炉灰を加工して風炉灰にして足す必要あり
*風炉灰は多めに作っておくように



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↑篩い終えた灰はこんな感じ
ふんわりしている



作業上の注意。気付いたこと

*必ず新聞紙を敷くこと (多少なりともこぼれた灰を回収するため、風炉灰は減る一方で貴重な宝なり)
*微細な灰が舞うので、帽子とマスク(PM2.5対応のものがよい)は必須

*お玉はすくった灰がこぼれ易い
*もっと深くて容量の多い柄杓とか雪平鍋のようなのがベターだな、探そうっと

*なるべく風炉に灰形を作る直前に篩うこと
 ふんわりと空気を含んだ灰は炭の燃焼を助ける
 風炉の茶事では懐石の後に炭手前で、菓子・中立・後入を経て濃茶手前するまでの30程度で釜の湯を沸かなくてはいけないのだから、
 炭手間だけでなく、炭そのもの・灰形・灰そのものまで、炭が良く燃えるようにしなくっちゃ



(メモ)










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by so-kuu | 2014-05-19 22:24 | 湯相・火相(炭・灰) | Comments(0)

潔い灰際 (茶の湯の「きめどころ」)

炉の灰を手入れして
その際
炉壇をきれいにした

炉でも風炉でも

灰際がキレイかどうか

あるいは
炉壇際がキレイかどうか
風炉際がキレイかどうか

って大切な気がするから


個人的には
これは


だと感じている



---

炉の場合

炉の期間中

増やすときはいい
これまでの灰際は隠れるから
問題なのは
灰を減らすときで
炉壇の灰際に
うっすらと
前にあった灰の跡が残る
前の灰形の灰際から下の面がうっすらと白く、汚れた感じがする

それがどうも気になる
潔くないと感じる

なので
炉の灰を減らすときは
一旦灰をかなり減らして
炉壇を何度も拭いて
灰の跡が見えたり炉壇が薄ら汚れていたりすることのないようにしてから
改めて灰を足して
火袋の灰を仕上げたい

五徳の足に灰が被り、後からそれを掃いた跡が残るのも僕はイヤだ

特に
茶事の亭主であれば
事前にキッチリ炉壇を掃除して
汚れなくスッキリとした炉壇で
お客を迎えたい
と思う

*聚楽土の本炉壇であれば、一年ごとに塗りなおせばよいのかもしれないけれど、それでも、茶事で炉壇が汚れているのは頂けない
*石炉壇や、金物の炉壇の場合は、特に掃除が大切だろう

---

風炉の場合

風炉だと灰の汚れが一層気になるように思う

灰形の作り形には
いろいろな方法があり、習いがあって
それぞれのやり方でよいのだろうし
他流を批判すべきものではない
と断った上で

ことを僕個人に限って言えば

風炉の内壁や五徳に不要な灰がついていたり
灰をぬぐった跡がぼんやりと残っているのは
ぬるい、と感じる

風炉の内壁と五徳には
不要な灰を一切付けないようにしたい

やり方によっては
まず風炉に灰を大量に入れてから
灰形を作りながら
不要な灰を取り除いていく
という向きもあるようだ
(そういう仕方ををみたことがある)
(それはそれで自由だと思う)

ただし、その方法では、
風炉の内壁にうっすらと灰が残るのは避けられない
拭いても拭いてもぼんやりとした感じが残るように思う
(そういうやり方をするひとは、それが気にならないんだろう、あるいは、それは仕方のないものだと思い込んでいるのかも)

僕は、それが気になるから
風炉の内壁と五徳に不要な灰を一切付けないやり方で灰形を作っている

それは、簡単な話で
灰を余る程入れてから取り去る方法とは逆に、
まずは必要量より少なめの灰を入れて、徐々に足しながら灰の量を決める、
というやり方

そして、その際、具体的には、
灰は必ず風炉の中心に入れて
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風炉の内壁際には灰匙で押しやっていく
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*壁際の灰が少ない、足したい、という時も、あくまで風炉の真ん中の方、上の画像の灰匙痕がある辺りに灰匙を当てて、壁の方に向かって灰を押していく
すると壁際の灰が増えていく(やってみればおわかりになると思う)

*一文字(二文字)の前後の傾斜も、このアクション、内側から灰匙で押すことで作っていける

そうすれば、
物理的に、灰は最終形の部分でしか風炉の壁に触れない
だから、風炉の内壁の高い位置が灰で汚れることはまずない
という訳だ

そうして、だいたいの灰積もりをしたら、筆で粗方灰形(前の斜面)をつくる
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その際も風炉際には触らない
灰匙で灰形を最終的に仕上げる時にも、もう出来上がった灰際をなぞるだけ

そうすれば、風炉と灰の際が汚れることは殆どない


やってみれば別に難しくない
むしろシンプル

灰を余計に風炉に入れて、わざわざ風炉内壁を汚して、それから灰を取って、汚れた風炉内壁を掃除する、という余計な手間もかからない

五徳際についても
特に注意して、必要最低限の灰で仕上げ、五徳際になるべく灰の跡を残さないようにすればいい
*茶事の風炉灰を作る時は、五徳にサランラップをかぶせて灰形を作り、出来上がりにラップを外す、という人もいる、とか

こうした方法では、
灰形を仕上げた後に筆で灰際を掃除するような必要も殆どない

なので
風炉や五徳がぼんやりと汚れているということもないし
なにより
灰際がキリリとキレイだ

風炉灰形を作る時間が短く済むので
忙しい茶事当日の朝にも嬉しいはず


潔い灰際(炉壇際・風炉際)

茶の湯のきまりどこ

のひとつだと思う


*そうは言っても

風炉の内壁・五徳の足に灰が全くつかない
という訳にもいかなかったりする
ちょいちょい灰の付いた痕がついてしまったりもする

下手だということだ

上手くなればなるほど
灰は手数少なく短時間でキリリと決められるもの

その辺りを楽しんでいきたい


(ちょっと思ったこと、メモ)






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by so-kuu | 2014-05-07 22:08 | 湯相・火相(炭・灰) | Comments(0)

マイ茶の湯灰の手入れ (炉灰 その1 水濾し分別 立夏2014)

炉の灰を手入れする

一般に
「炉灰の手入れは夏の土用にする」
というけれど

立夏の頃の日差しでも
灰は十分に乾くし、
灰を殺菌するという紫外線なら4月・5月の方が強いんだし
(僕の灰は、茶汁をかけないし、木樽で保管しないし、だから腐る有機物を含まないから、特に殺菌の必要はないと思うのだけれど)

さて

炉壇から
熨や炭クズ混じりの灰(炉中上層の灰)を底取りですくい取る・・・1

*全く汚れていない下層の灰は、また別に取り上げて、別の容器にとりあえずそのまま保管(後日まとめて手入れする)
*五徳を灰から取り上げ、灰を落として、洗って、熱湯をかけ、乾かす
*炉壇も一旦引き上げて、キレイに掃いて、拭いて、乾かす

・上記1の燃えカスや不要物を含んだ灰
・炉の半年間に炭を燃やした際に貯めておいた、熨(灰の燃えカス)と底(火袋底の灰が熱で固まったもの)
をポリ容器に入れて
ヒタヒタになる位の水を入れて撹拌
浮かんでくる炭粉などは掬って捨てる

よく撹拌して、ドロドロの灰液を2度水漉しする
・水漉し その1 細目篩
・水漉し その2 極細目篩

*篩いに残った灰は(2度目などこれはこれで一見細やかな灰なのだが)“良い風炉灰には育たないもの”としてバッサリ捨てる

まったりトローリとした灰液だけがポリ容器に残る
これを一晩放置して上澄みの水と底の灰に分離させる
上澄みだけを捨て去る

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まったりトローリのごく細やかな灰だけが残るので
適度に乾かす

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新聞紙6枚の上に
おはぎ状に並べて
上に新聞紙1枚をかけて(ホコリよけ)
適度に干す(1日程度か、とにかく濡れ灰として丁度いい位の湿り気を残す)

おはぎ状に固まっている灰を、そのままポリ容器に取り込み、保管
(湿り具合を保つよう、容器の中に水の入ったコップなどを入れてもよい)

ここまで、今回の作業

夏の土用あたりに、残りの炉灰を手入れ
(同じ作業だが、わが家の限られたスペースで大量の灰を乾かすのには、夏の強い日差しの方がベターかも)

炉開き前になったら、灰の湿り具合を確認・調整する

茶事の前には、灰を適宜篩って
・炉の下地灰(細目)
・迎え付け前の覆い灰(中粗目)
・炭手前での蒔灰(粗目)
をつくる


(メモ)





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by so-kuu | 2014-05-03 22:35 | 湯相・火相(炭・灰) | Comments(0)

遠山灰 (灰形メモ)

風炉の灰形を作ってみる

唐銅の面取風炉に、遠山灰

釜は筒釜

釜の高さを決めて、
釜が真ん中に水平に据わるよう、五徳の位置を決めるのに時間がかかった
けれど
ここをきちんとしないと仕上がりがぬるくなる

*五徳の位置が決まってから風炉に灰を入れる際、底取が五徳に触って、五徳を動かしてしまうことあり、要注意

灰形としては
なにより
炭が燃えて湯が湧くような火袋を作ることを心がける

手前の面はスッキリ平らに
五徳際がセコセコしないように
稜線をキリリと

奥の山はなだらかに
わざとらしく左右に振らずにしてみた

そんなところか

実際には60点くらいかな
手前左側のラインいまいち
遠山と火袋のつながりイマイチ(不要な匙あと気になる)

*山の傾斜(手前の稜線も)をつけ過ぎると、火袋と繋げにくくなり匙跡が出やすくなる、要注意

でも
一文字(二文字)や丸灰に比べたら
遠山灰は簡単なものだ


(メモ)


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by so-kuu | 2014-05-03 22:03 | 湯相・火相(炭・灰) | Comments(0)

「風炉の七つ捻り」

風炉を整えるのは

なかなかに手間がかかって

難しくもあり

面白くもある


***

七ひずみ
(風炉の七つ捻り)

1、風炉はわずかに客付へ捻る。
2、釜は勝手へ少し捻る。
3、五徳はわずかに前へよせ、一つ爪を勝手に捻る。
4、釜はわずかに向こうへよせる。
5、前土器は少し客付へよせる。
6、灰は左右前後へ高低をつける。
7、柄杓を筋かいに釜へかける。

***


なんてことをいう


教条主義的に盲目的に従っても面白くない

ひとつひとつの意味合いをさぐると面白いかもしれない


その上で

自分の茶の湯では

自分で全責任をもって

自分のよいようにすればいいと思う


上手ならば名を取るのも自分

下手をすれば批判されるのも自分なんだから
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by so-kuu | 2013-08-12 12:15 | 湯相・火相(炭・灰) | Comments(0)

マイ茶の湯灰の手入れ (風炉灰編)

マイ茶の湯灰の手入れ (炉灰編)

に続き、

マイ茶の湯灰の手入れ (風炉灰編)

も書きつけておく


日々の灰手入れは基本的に炉灰と同じ

大きく違うことだけメモる


炉灰はシーズンが終わったら「水漉し」で不要物を取り除いて、「土用干し」をして保管するけれど、
風炉灰は、もう決して水を潜らせない、ということ
理由は、灰のアクに含まれる有用成分が溶け出してしまうから

また

炉の灰には、尉を分別・再生して、補充することが出来る
炭を燃やせば燃やすほど、炉灰は増えてゆく、とも言える

一方の、風炉灰は、炭火を燃やして、尉を取り除くごとに、少しずつ減ってゆく
少しずつ、とは言っても
風炉灰からカスを除く際に灰そのものも一緒に取ってしまうもの
風炉灰をキレイに保とうとすればするほど、風炉灰はどんどん減ってゆく

とにもかくにも、
風炉灰は減ってゆくものだ、ということは、しっかり肝に銘じておかないと


そして
であるならば

風炉灰を扱う時は、
必ず、下に新聞紙などを敷き、
こぼれた風炉灰は、わずかたりとも、必ず回収すること
微量の灰を集めて掬うのに、筆やプリペイドカードなどが便利


さて

日々の手入れはよいとして、

風炉の季節がが終わったら、どうするか?

・粗目と中目の篩いで、風炉灰を2度篩って、ゴミ・不要物を完全に取り除く
・容器に入れて保管
*ある程度湿気のあるところがよい、とも言う
*たまには空気に触れさせるとよい、とも言う


では
前述の通り減ってしまった分の灰を、どう補うか?

というと、5・6年使った炉灰の一部を原料に、風炉灰を作るのである

・炉灰をよく乾かす
・炉灰を乳鉢などで摺るなどして、粒子を適度に細かくする
・既存の風炉灰に必要なだけ混ぜる
*一般的な風炉灰なら、これで量を維持出来る
*本当に上等の灰には、新しく作った風炉灰を混ぜない、というお茶人さんもいるだろう
*手持ちの風炉灰を、その質で区別して、それぞれを別の容器で保管するひともいる


(「風炉灰の作り方」の詳細は、追って別のページで書こうと思う)
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by so-kuu | 2013-07-12 23:00 | 湯相・火相(炭・灰) | Comments(0)

茶の湯灰 日々の手入れ (熨の扱い)

炉でも風炉でも
炭を燃やせば、燃えカスが生じる

その燃えカスは
実はカスどころではなくて
茶人のお宝だ *注あり

炉灰の
また
いつかは
風炉灰の
材料になるから

だから
日々の灰の手入れと尉の扱いが大切


さて

炉でも風炉でも、
燃え残りの炭をどかした後の火床には

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・炭が白く燃え尽きたもの=「熨」
*じょう、と読む
*尉の字の下に火と書く
*尉灰などと言われることもある
・炭の燃え残りの固形物
・灰が熱などによって変色し固まったもの(いわゆる「底」)

などがある

それをどうするか?


僕なら、

無傷の灰以外、毎回、全て一度取り去る

・まず、燃え残りの炭の大きい物を取る
・続いて、火箸で拾える小さな燃え残り炭も取る
・これらは、火消壷に戻す
*次回の下火に使える
・固まった「底」も灰匙で掘って掬い取る
・小さな燃えカス類を全てすくい取る
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・ここで筆を使って、灰の表面を撫でて不要なモノをまとめる
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・さらに灰匙で、不要物を完全に取り去る
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・熨・炭の粉・底も火消壷に入れ、貯める
*熨や底がある程度貯まったら、篩って「水漉し」分別と乾燥を施して、また炉灰に戻すため

***
*注
炭の燃えカスは宝、と書いたけれど
厳密に言うと、
一部は宝(良質の灰の原料になるもの)
一部はカス・ゴミ(良質の灰にはならない、茶の湯灰にとって邪魔なもの)
それを分別するために「水漉し」をするのである
***


すると、
火床には、無傷のキレイな灰だけが残るはず


そして、


●炉ならば

火床を改めて、
濡れ灰を撒いて火床を覆い、
・次の炭火を燃やす


●風炉の場合は

*毎回、灰を上げ、灰を入れ直し、火床・灰形を作るのが本式、とも言われる
・一度風炉から灰を全部出して、
・篩う
・篩に残った熨・炭クズは火消壷の熨と合流
・また茶の湯当日に灰を風炉に入れて灰形をつくる

*減った分の風炉灰を補充して、灰形を作り直す、というのは横着ヴァージョン
*風炉を出し、初風炉の灰形をしたら、そのまんま、灰形を微調整しては繰り返し使い、風炉をしまう時になってはじめて灰を上げる、という人もいる、とか
*そういう方は、茶事の際にも、灰形を一から作り直さないのだろうか?
*稽古でも、毎回毎回と言わずとも、なるべく灰を上げ、灰を篩って、入れ直して、一から灰形をつくりたいものだ
*それも、稽古だし、そして、その作業が茶の湯灰を育てることになるのだから


いずれにしても

いつもサッパリとキレイな火床で炭を燃やし、湯を沸かし、茶を点てて、頂きたい

そして、いつか、上等の茶の湯灰を所持する茶人になりたいな

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by so-kuu | 2013-07-12 22:50 | 湯相・火相(炭・灰) | Comments(0)

マイ茶の湯灰の手入れ (炉灰編)

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立冬の炉開きから半年使った炉の灰

立夏の初風炉の後は半年間のお休み

その間に手入れをする


僕の場合


その目的は

・尉・燃えカス・ゴミ・不要のものを取り去る
・使える(育つ)灰だけを残す
・灰を育てる(よい風炉灰の原材料づくり)

*番茶などによる灰の着色は、僕は今のところしない派
*番茶の着色効果に疑問あり、また番茶使わずとも灰は熱や空気による酸化などによって変色していくと考えているから

*また、紫外線で灰を殺菌消毒する、という考え方もあるようだけれど
*紫外線なら4月5月が一番強いので、ならば5月の晴れ続きにした方がいいな
*灰ってそもそも無機物、腐ったり黴びたり、しないはずなんだけどなー


マイ茶の湯灰の手入れ手順は

・尉(燃えカス)を取り除いてキレイな灰だけにする
・灰を篩う(大きなゴミを取り除く)
・灰がヒタヒタになるくらいの水を加えて撹拌する
*年1メンテの際の水は最低限でよい(水漉し分別ができればよいので)
*水が多過ぎるとアクが抜け過ぎて、フワフワでまとまりのない灰になる
・水面に浮かぶゴミ・炭クズ・不要粒子を取り除く
・水漉し①細目
・水漉し②極細目
・極細目で通った灰だけを残す
・そのまま上澄みが透き通るまで放置
・透明の上澄みをすてる
*決して灰を水と一緒に流さないこと
*上澄みをゆっくりと捨て、水が濁ったら一旦中断して、また上澄みが澄むまで放置
・底に残ったなめらかでトロトロの灰を新聞紙の上に並べる
*おはぎ大の玉をいくつも
*新聞紙は便利、灰の乾燥が早く、また灰がキレイにはがせるので無駄がない
*タオルだと灰がくっついて取れず貴重な茶の湯灰が無駄になる
・1~2日ほど天日干し
*おはぎ状の灰を握ってまとまる位の乾き加減(湿り加減)
*コロイド状の液体から乾燥してゆく過程で灰粒子同士がまとまる力を生じる、という説あり
・保管容器に入れる
*通気性のある木桶を使う人もあり(・・・保管中にも上記の乾燥過程を生み出す方法)
*ポリ容器で密閉保管するひともあり(・・・天日干しで上記の乾燥を仕上げる、という考え方)


といったところかな


そして、炉開きの時季が近付いたら

・夏に手入れした炉灰の状態をチェックして
・「濡れ灰」の用意をする



日々、年々、繰り返し、茶の湯の灰を育てる

手間はかかるけれど

いつか

とびきり上等の風炉灰と出会うことを楽しみに

日々、年々繰り返し、茶の湯の灰を育てよう









追記:

日々の灰の手入れ、
即ち、尉の扱いについては、また別途書いておこう
http://sokuu.exblog.jp/20773534/


マイ茶の湯灰の手入れ (風炉灰編)
はこちら
http://sokuu.exblog.jp/20773738/



追記2:

今年は
桜も早かった
梅雨明けも本当かと疑う位早かった

ならば
今年は
いわゆる土用干しと言わず
海の日の三連休に
茶の湯灰と梅干を干そう

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by so-kuu | 2013-07-12 22:40 | 湯相・火相(炭・灰) | Comments(0)