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季夏の茶の湯 根津美術館 (「江戸のダンディズム」展) 釣舟花入 信楽茶碗「水の子」 など

根津美術館を訪ねた

「江戸のダンディズム」展はそこそこに

2階の茶の湯道具を観る

今回は「季夏の茶の湯」と題しつつ
水にまつわるものを取り合わせていた


季夏の茶の湯 根津美術館 (「江戸のダンディズム」展) 釣舟花入 信楽茶碗「水の子」 など_b0044754_14495378.jpg


待合掛は冷泉為恭の滝図画賛(水引に云々)
本席の掛物は酒井抱一の七夕画賛(かささぎ云々)
(画賛に画賛、でカブっているような)

風炉釜は切合せ
釜・風炉ともに鐶付が大きい
真形釜の肌に鷺文(よく見えなかった)

水指は青磁の手桶形
胴と底近くの箍は茶色
肥前の産だとか

濃茶の
茶入は利休瀬戸「一夜」
ひとすじ流れ落ちる釉が白っぽい
主茶碗は高麗
玉子手の「小倉」
乳白色の釉肌に、一部青白い変化あり
その辺りを七夕の夜の風情に重ねたいか
(青磁の水指の前では引き立たないかも)

薄茶の
茶器は桐竹蒔絵棗
主茶碗は刷毛目
ただし刷毛目がまわるのは内側のみ
外側が灰色の無地なのは珍しいかも

茶杓は
「薄暮」 藤村庸軒作
全体に濃い色の煤竹で
すんなりスラリとした丸櫂先
節まわりもプレーン
特に節下の細さが特徴か
切止は三七、脇を僅かに面取りか
節刳りごくわずかでほぼ直腰なのは
ポスト遠州の作行きと言えるか
瀟洒な一本

香合は琴の形
織部釉(かなり黄色い手)の蓋置は糸巻形


他に

◎釣舟花入

東南アジア産の砂張製
名物の釣舟花入より、ずいぶん小振り
僕には、その小振りな感じが好ましく思われる


○尻覆茶入 「青山」

ふっくら安定した形
大きくも小さくもない
薬がツルツルでなくわりとマットなのがいいかも

◎信楽茶碗 「水の子」

利休所持とも伝わる名物茶碗
信楽の緋色の土にガラス状の白い点が映える
それを水の子と呼んだのだろう

夏に筒茶碗?
などと言う人は
昨今のお稽古茶道の知識に偏った
ドグマ(教条主義)に囚われている
茶の湯創成期の茶人たちの自由な創意の茶の湯を知らない人だろう
堀内宗心宗匠が、以前、
「ほととぎず」と銘のついた筒茶碗を紹介し、
昔は今より自由に道具を使っていた事を語っておられたのを思い出した



「江戸のダンディズム」展

最近、「刀剣乱舞」の影響で
刀剣観賞が注目されてもいる

美しい刀は美しいものだ

ところで、
僕は刀は毎週振っている

振ってみれば、
長年かけて勉強してみれば、
刀というものが、ものを(人を)斬るために、攻めるため、守るために、よーく出来た武器であることがよく解かる

僕にとっては刀は使う道具で
美術品としての観賞には深入りしないようにしている

今回の展覧会では
刀そのもの
に加えて
鍔・拵・三所物などの刀装具
印籠や根付など
美術工芸品としての展覧

工芸品である以上
手の込んだものが尊ばれる


江戸時代は、よっぽど暇だったんだなー

と感じられた

刀で戦う事がないからこそ
贅をこらした工芸品になる

江戸も時代が下れば下る程
贅沢・豪華・華麗な作品が生まれる

で、幕末になると、
動乱の中で、再び、実用品としての刀が出てくるんだろう

と言う訳で
僕はあまり派手な刀・拵・刀装具を好まない
刀身のかなりの部分に透かし彫り、なんてのもちょっと頂けない

明智拵
あるいは
歴戦の武将である細川三斎公が自ら工夫・考案したとされる
肥後拵(初期のものに限る)
あたりが好感が持てる

鍔は
実用として
少し小振りなのが使いやすい
雲か雲板のデザインで好みたい
と思っている


(備忘録)











by so-kuu | 2015-07-21 23:41 | 茶道具
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