波のない湖をみた (心の底のしいんと静かな湖)

***

人間は誰でも心の底に
しいんと静かな湖を持つべきなのだ


***


という詩を書き留めた


そんな、ズブン(自分)は、どうだろうか?

僕は、僕の心の底にしいんと静かな湖を持っているだろうか?


どうなのか、わからないけれど


僕は

しいんと静かな湖



この眼でたしかに見たことがある


あれは十六歳の夏休み

仲間と山の湖にキャンプに行った

夜中まで騒いで、寝静まった明け方、浜辺にさまよい出た


湖は

しいんと静かだった

音がなく

そして

波がなかった

湖面に波が全くないのだ

山間の湖に風が全く吹かなかったんだろう

浮かんだボートも全く動かない

鏡のよう

と言えば言えるけれど

何も映っていなかった

ぼんやりと朝靄が湖面を覆って

湖はその中に消えてゆき

向こう岸も山も見えない


言葉にすれば

そんな感じか

いや

言葉に変換出来るようなものではないし

僕にはその眺めを言葉に変換する必要はない


僕はそこにただ立って

その湖を

その眺めを

見つめていた



さて


僕の中にある

その景色

その映像を

この詩を読んで

思い出した


そして

僕は

僕の中にある

その記憶を

その景色を

僕という人間のひとつの部分として

ずっと大切にしてきたし

大切にしていきたい

そう思っている
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by so-kuu | 2013-05-13 12:13 | 自然ということ | Comments(0)
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