炉灰をふるう (灰の粒度と茶の湯灰の趣き)

炉灰を篩う、ということについて

あるひとは、
夏の灰作りの時点で篩って、
密閉容器に入れて保管し、
炉の季節を通して、夏に篩った灰をそのまま使う

また別のひとは、
夏の灰作りの時点では、
壁土くらいの固さに練った灰を、
塊のまま木樽に入れて保管し、
炉開き前までの時間で自然乾燥させ
(木樽は吸湿・放湿するので、灰は少しずつ乾いていき、その脱水の過程で灰が収斂し、まとまりのよい灰になる、という説あり)、
炉の季節に、黒砂糖のような塊状の灰を篩って使う



さて、
僕は・・・
どちらかというと後者
ただし、木樽に入れず、ポリ容器に保管
なので夏の灰乾かしの時点で、握って固まる、ベチャベチャでもなくガチガチでもない、というくらいの感じにしている

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(写真:夏にある程度湿った灰をポリ容器に入れて表面を慣らしたものを、炉開き前に見たところ。
表面がやや乾いているものの、全体ではしっとり。
立ててあるのはアイスキャンディの空容器に水を入れたもの、乾燥防止に)

で、炉開き前に、一部の灰を篩う(炉中、下地になるくらいの量)
そして、茶事のたびに、灰を篩う、という仕組み

ところで、

その灰篩いでは、
粒度の違う3種類の炉灰を作る

荒目の灰篩の使い方がポイント
使い方次第で、粒度の粗い灰も細やかな灰も作れる

おにぎり状にした湿り灰を

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① チーズの塊を粉チーズにする要領で、灰篩の目に軽く擦って削っていくと ・・・細やかな粒灰 <炉中下地になる灰>
② 胡麻をするような感じで円を描くように篩にこすり付けると ・・・やや粗め粒灰 <茶事で客を迎える前に炉中一面を覆う灰>
③ 灰篩に直角に押し付けるように、また指で潰すようにすると ・・・ごく粗い粒灰 <灰器に入れて炭点前で使う撒き灰(いわゆる)濡れ灰>

①と②を混ぜれば、細目&中粗目のブレンド灰
②と③を混ぜれば、中粗目&粗目のブレンド灰
(ブレンド灰を古くは「ふくさ灰」と言ったそうだ)
(そういえば、茶懐石でも、合わせ味噌のことを、「ふくさ仕立て」と言うな)

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(画像:
・上の三角の灰は③粗目オンリー、
・右の丸いのは③と②のブレンド中粗灰、
・右の三角は中目オンリー、
・下の丸は①と②のブレンド中細目ブレンド、
・左の三角は細目灰オンリー、
・・・違いが感じられるかな?どれも同じに見えるかな?)

上記全て合わせると、5種類の灰が手に入るし
灰篩いの通し方でも、灰の粒の大きさ、炉灰の表情は、無数にあると言ってもいいだろう

で、

さまざまに作れる炉灰を、季節や気候、その日の茶事の趣向などによって使い分けたら、楽しいだろう

そんな訳で、
僕としては、
夏に灰を篩ってしまって、そのままの灰をただずっと使うのではなく、
基本的に、炉灰は、塊状で保管して、使う際に篩いたい、と(今のところ)考えている
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by so-kuu | 2012-11-26 12:46 | 湯相・火相(炭・灰) | Comments(0)
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