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茶の湯とは、人と人とが出会う装置、である。
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追記:
…と、僕が言ったそうだ。
ある和菓子職人さんに言われた。
一緒に山に出かけ、歩きながら話している時に、僕がそう言ったんだとか。
本人は忘れていたんだけれど。
言われてみれば。
たしかに。
そう、思っている。
人と人とが出会い、人と人とが触れ合うための、
穏やかで、かつ巧妙な仕掛けが、
茶の湯には沢山張り巡らされている、と思う。
但し。
誰でもそれが出来る、どんな茶会でも人と人とが出会える、触れ合える、という訳ではない。
お茶を習いさえすれば、誰にでもそのよく出来た装置の使い方がわかるか、といえば、そうではない。
茶の湯という“装置”を上手に使いこなし、
亭主と客が心を通わせられるか、人と人とを出会わせることが出来るか、は亭主次第、客次第、その人次第。
その辺りが、茶の湯のひとつの醍醐味であり、茶人の力量なんだろうな。
その辺りを、体現出来る茶人になりたい。
久々に、彼と会って、そんなことを思った。