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火入れの灰と風炉の灰は同じものでありますが、やや火入れ灰のほうが粒度が細かいのです。
それは火入れ灰のほとんど大部分は、火入れ炭が燃えたあとの尉であるからであります。
火入れの灰は、火入れ炭を完全に燃やしきって、そのまま尉と灰と合流させれば、増える一方であります。
しかも火入れ灰は茶汁で染めるようなことはなくても、年を経るとともに色がよくなっていくのは不思議な現象であります。
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(『灰形と灰の作り方』 指導:堀内宗心)
面白い。
火入の灰が茶汁をかけないのによい色になる、ということは。
灰の色を良くするのは茶汁ではない、ということでは?
ならば、
炉灰(湿し灰)・風炉灰を作る際にも、メンテの際にも、茶汁をかけなくてよい、ということでは?
いずれにしても。
茶の湯灰がよい色になり、風炉灰が灰形の作りやすい良い灰に育っていくメカニズムを知りたいもの。