ふしぎ発見!茶道具と銘をめぐる物語 畠山美術館 斗々屋茶碗「隼」 石州好肩衝角風炉

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「ふしぎ発見!茶道具と銘をめぐる物語」と銘打った畠山美術館の企画展に行った

目録によると、その展観内容は…

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長い年月をへて大切に守り伝えられてきた茶道具の逸品たち。
日本の茶人は、この世界に一つしかない茶道具の数々に尊敬と親愛なる気持を込めて「銘」を付けました。
「銘」とは優れた茶道具に付けられた別名のこと。
茶道具そのものに書き付けたり保管用の箱に記されて、茶道具を愛した人々の想いや美意識を今に伝える懸け橋ともなっています。
本展では、「なぜ、この銘が付いたの?」という物語から、「どんな人がもっていたの?」、「そもそも茶道具ってどうやってしまってあるの?」という素朴な疑問まで、茶道具と銘にまつわる不思議に迫ります。
季節にふさわしい作品とあわせてお楽しみください。

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最近では、夏休み頃に子供向けの企画展をする美術館が増えているようだ。
それは大変結構。
ただ、
上記のような主旨が、実際の展示で“子供たちに”理解してもらえたか?
と言えば、ちょっと覚束ないような気がした。
展示構成、説明や表示など、中途半端で。
もう一段・二段の工夫が要るように感じた。
少なくとも、作品解説の紙は、いつものものだけでなく、
特別に子供向けのものを用紙して、添えるとよい、と感じる。
次代を担う青少年の文化教育のため、今後に期待。


さて


僕個人は、銘はさておき、モノを観に行った。
まずは、モノ、そのものと僕の眼玉が出会うところを尊重したい。



僕の眼に映ったのは…


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○玉舟宗璠*墨蹟 一行書

沢庵和尚の 「檻前山青水寒」は野村美術館で観た

玉舟宗璠は片桐石州の慈光院の開山だったな
*「璠」は王に番


☆四畳半の床の間の花がよかった

竜胆2種(薄紫と白)に
雪柳の葉が添えてあった
鉈籠花入れもよい
編みがやや緩く色も明るめで、ざんぐりと粗相でいいな


◎瓢花入 銘 木兎(みみずく) 千道安作

小さめで、肌が黒々とした瓢に円い穴を空け、
後ろに金具を付けて掛花入にしてある


○雲龍釜

僕は雲龍釜が好きだ
これは、かなりやつれてるな


◎石州好肩衝角風炉

夏用の小振りの風炉を探していた
これ、ピッタリだな
雲龍釜でもいいし
瓢釜を合わせても、曲線と直線の対比が面白いかも
上から見ると四角い角風炉だけれど
よく観ると
直線一辺倒ではなく
側面の角近くや
三つ足のラインに
ゆるやかな曲線を用いている、ってのがまた心憎い
これ、いいなー


*片桐石州公、直線と曲線の合わせ使いが特徴的だな!

この角風炉といい、
面取の茶器といい、
慈光院の丸材と角材の組み合わせといい



・灰器 大笑 樂長次郎作

デカッ!
とにかく大きい

銘は近代になってのものか


・蕎麦茶碗 銘 蛍

蕎麦茶碗
黄味と青味の片身替わり
大らかで、夏の濃茶にはよいだろうか
銘も夏の使用のために付けられているよう

箱書は松平不昧
隷書と定家様

蕎麦茶碗の中の絶品か?
と言えばそうでもないと思う


・共筒茶杓 銘 水の江 小堀遠州作

茶杓自体は、別に…
美竹、と言うが、別に…


○ととや茶碗 銘 隼

斗々屋茶碗の類に入るんだろう
土の感じ
薄い釉の感じ
本手といっていいのかな?
少なくとも平手ではない

とにかく小振り
茶箱にでも取り合わせたいくらいだ

しかし、まあ、次第(袋・箱・風呂敷など)が立派なこと
塗りの外箱には鍵まで付いている

茶碗そのものがどれだけのものか?はそれはそれとして

こうして、「銘」や「次第」や「伝来」によって、いわゆる名物が生まれていくのかなー、と感じた

(因みに、この「隼」、近著『名椀を観る』にも紹介されていた
… それについては、また今度書き留めておこうかな)


○黒楽茶碗 馬たらい 樂一入作

黒に赤茶混じりの釉肌
内側の腰・見込の削り、茶溜りへの曲線が不均一で自然、
たっぷりとした量感があっていいな


・共筒茶杓 銘 千鳥 益田鈍翁作

山梨は塩山の名所に因んだ古今和歌集の
「しほの山差出の磯にすむ千鳥君が御代をば八千代とぞなく」
より

茶杓自体は特に…


○絵唐津波兎文火入

桃山らしい形の唐津
絵はひょうげた兎と波、桧垣文


・竹筒菊花文煙草入 瀬田掃部作

竹に菊の花のように彫ってある
瀬田掃部直々の作?
やっぱり作らせた好みもの?


・和歌屏風 益田鈍翁筆

八曲の真ん中2面に丸
それを挟んで
「月も日もおのかすむ世もまろけれはわか心またこれにならはむ」


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さて、「銘」ということについても考えさせられた


道具あっての銘



銘あっての道具

がある、ということ


銘がなくても名物、というモノ



銘によって名物になれたモノ

がある、ということ


(それについては、別ページにて、書いてみようかと思う。)
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by so-kuu | 2012-09-12 19:21 | 茶道具 | Comments(0)
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