「消息」というのがある 手紙のことだ 茶の湯の世界では、その消息が、“茶道具として”もてはやされている 千利休が織部に当てた手紙、だとか 織田有楽の茶事への案内状、だとか 東福門院がお公家さんに飴よを贈った際に添えた文、だとか そういうのを 表装して、掛軸にして、茶の湯の床の間に飾る 古の茶人や傑僧の徳を思う、というのは悪くなかろう けれど、僕には、どうも、ちょっとした抵抗があるなー まず、 誰かと誰かの手紙を、後に第三者が第四者に披露する、ってのは、なんだか申し訳ないような気がする という単純なことと つまらない内容なのに、書いた人が有名人だから良しとする、っていうミーハー感があるならそれはイヤ ということなんだろうな もちろん、上手に使えば、洒落てる、と思う 茶道具としての消息は、 すなわち、茶事で消息が使われたら、 僕らは、 消息を書いた人・消息を受け取った人はどんなに立派か? ではなく、 その消息を茶道具として茶事をしている、その茶事の亭主の力量や如何? を問うべきものだろう ある茶事で、ある消息が床にかけるなら、 亭主には、それなりに思うところがなくては その消息を“道具として”使って、自分の茶の湯を表現しなくては そうでなくっちゃ、他人のふんどし茶の湯だもの 先日、三井記念美術館の「如庵」写展示室で観た、 織田有楽の消息(茶事の案内状)には、しびれたなー あんな茶の湯がしたい、と思う けれども、 であるならば、 その消息をかけて茶の湯をするのではなく、 そんな案内状を書いて、自分の茶の湯をすればいいんだな あー、楽しみ…
by so-kuu
| 2012-09-07 07:10
| 茶道具
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