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(前略)
「しかし
一年や二年の手入れでは、なかなか上質の湿し灰は出来ません。
この手間のかかる地味な灰作りを年々繰り返しているうちに、良い風炉の灰や炉の湿し灰が出来るわけです。
少なくとも30年以上、繰り返し手入れをした灰でないと「極上の灰」とはいえないといわれています。
そんなことから、ある老巧な茶人が火事に際して、貯蔵していた灰を一番先に持って避難したという話があるほどです。
この話からも
古今の茶人たちがいかに良質な灰作りにこだわってきたかがうかがわれます。」
「灰作りにこだわる真の茶人」より、裏千家・業躰、阿部宗正氏の言葉 (『灰形と灰をつくる』4頁)
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茶の湯の灰の話になると、決まって出てくる、この逸話。
でも、今なら、わかる。
何十年もの、何百年ものの灰は、ホント、貴重だ。
大徳寺には、利休居士の灰もある、とか。
でも、それを観てみたら、今言う、手間かけた灰と全然違う、それこそ「粗相なる灰」だったりして???(笑)
茶の湯の灰は、大変なのよ~
とか、よく聞くけど。
好きでやってんじゃん
というのも、忘れたくないな。