***
茶人ほど灰に対して深い関心と愛着を寄せている者はありません。
灰には風炉に入れる生灰、炉に入れる湿し灰、やつれ風炉に入れる藁灰などがあります。風炉の灰は木の灰で作ります。
最初は木灰を細かい篩を通してふるい、器に入れた灰に水を流し込みます。
やがて浮き上がってくる不純物とともに上水を捨て、天日で灰を乾燥させます。
乾いた灰を細かい網目の絹篩を通してふるいます。
風炉の灰をよく使いこみながら、年々手入れをして、10年、20年と蓄えていくと、色調をおびた、本当に良質の灰が出来上がります。
これはお金に値するものではないといわれるほど貴重なものです。
美しい灰形を作るには、良い灰を使うことが重要な要素です。
したがって
良質な灰の値打ちを知ってこそ、風炉の灰形も上手に作れるようになるのであり、
灰そのものについて何の関心も持たずにいる方が、上手な灰形を作れるようになるはずもありません。
***
…
「灰作りにこだわる真の茶人」より、裏千家・業躰、阿部宗正氏の言葉 (『灰形と灰をつくる』4頁)
>
灰そのものについて何の関心も持たずにいる方が、上手な灰形を作れるようになるはずもありません
激しく同意!