灰形と風炉の向き 堀内宗心宗匠からのひと言

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灰形と風炉の向き

灰形、すなわち丸灰、一文字灰、遠山灰などというのは、いちおう風炉の形、正面に合わせて作られるものであります。

しかし、実際に茶席に風炉を置いた場合、茶室の勝手のあり方によって、風炉の向きをひずませることになっています。

点前座のある勝手は、昔の左勝手を本勝手、右勝手を逆勝手と呼びます。

本勝手では、風炉は道具置きで勝手付のほうに寄せて置かれ、その代わり火間のある風炉の正面を少し右(客付のほう)にひずませて置くことになっています。
しかし、釜は真っ直ぐ灰も真っ直ぐに作ります。

逆勝手は、これと対称的に風炉を少し左(客付)にひずませるのが現在ふつうでありますが、
十九世紀初頭の茶書『茶道荃蹄』によれば
「風炉左手前(逆勝手の意)中仕舞ひなし、茶器の蓋は何にても茶碗の前へ取、
居前は真直、杓も真直、風炉も真直云々」
とあり、
風炉はひずませないことになっております。
これは、釜の蓋、柄杓とも右手扱いであるためひずませないとする古法であると考えられます。

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裏千家では、風炉は真っ直ぐ、ひずませない、とか。

表千家では、茶室のかまえに応じて、風炉をひずませることになっている、とか。

昔の伝書などにも、「七歪み」などと、やかましく言う。


どっちでもいい、と言えば、それでおしまいなんだけれど。

面白い、と言えば、面白い。



(この風炉や灰やの“歪み”ということについては、
僕個人としての仮説と推論があるんだけど、
それはまたの機会に、書いてまとめておこうかな?)
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by so-kuu | 2012-08-28 06:20 | 湯相・火相(炭・灰) | Comments(0)
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