藤田美術館。
藤田傳三郎さんのコレクションは、いわば”S級品揃い”。 類品の中の2番手、というようなものでなく、 そのジャンルの頂点に立つような品ばかり、 という印象あり。 所謂「近代の数寄者」の中でも比較的早い世代の人物だからだろうか? 僕の好みに合うか、と言えば? それは、モノによる。 さて。 2012年春の特別展は、 「藤田傳三郎の軌跡」。 傳三郎の十三回忌茶会の道具組みを再現するという趣向。 仏教美術品が多い。 また、伝来や銘などが仏教に関連するものが多数取り合わされた茶会だったようだ。 個人的には、”法事の茶なら、仏に関する取り合わせ”ってのは、あんまり面白くない、と思う。 特に、仏に因むものを重ね過ぎるのは、ついてて、いやだな。 目についた道具をメモる。 ・古井戸茶碗 銘「老僧」 まあ、小井戸だ。 肌は、まあ、井戸。 井戸らしい色。 けれど、やや暗めで、ちょっと荒れてる。 シミもニュウも多い。 高台まわりのかいらぎがすごい ギラギラとひび割れ、ちょっと剥がれていたりする そしてなにより、高台径が大きいのが特徴かな 命銘はひょうげもの・古田織部。 「老僧」の箱書が織部の字という感じがした。 追悼茶席の本席に相応しい格のある茶碗を、と取り合わされた、とあったが。 それほどのものでもないような気がする。 のは僕だけかな? これは、きっと、通好みな一碗なんだろう 「老僧」の凄みはまた老練な茶人でないと判らないのかも 茶境というものがあるんだな *あ、そうか! この「老僧」は豊臣秀吉旧蔵だった ならば、「今太閤」を自称した傳三郎翁には、格別の思い入れのある一碗か そしたら、追悼茶会に主茶碗には、これだな ◎武野紹鴎作象牙茶杓 紹鴎ってもっと研究されていい、と思う。 千利休(を顕彰したい人達)に手柄をずいぶん横取りされているように思うし。 例えば堀内宗心宗匠は武野紹鴎を茶人の理想像の一つとして挙げていた。 さて、彼の象牙茶杓 優美ー! キレイー! 遠州のキレイとは違って。 飾らずとも、それ自身が謙虚にして豊満、といった感じ。 ○焙烙灰器 長次郎作 オリジナル、って感じ。 形はちょとゆがんでいる。 好きか?と言えば、好きじゃない。 ・竹茶杓 藤村庸軒作 美竹使用でキレイな感じ。 宗旦でなく、遠州の影響下の品。 ・沢蟹蓋置 いわゆる「七種蓋置」のオリジナルか。 元は筆架。 転用・見立ての初期数寄者による一例として観た。 取り急ぎ、以上、備忘録。
by so-kuu
| 2012-04-21 10:08
| 茶道具
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