松風をきく… その1・2・3 (銘菓「松風」御三家食べくらべ )

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伊勢・奈良・京都を旅した。

お目当てはいくつかあったのだけれど。

京都での重要なミッションのひとつが…

「松風御三家食べくらべ」

だった。


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京銘菓のひとつに「(味噌)松風」がある。

“和風カステラ”とでもいうような感じだけれど。
玉子・バターなどは使っていない。
小麦粉・砂糖、麦芽飴・白味噌を混ぜた生地にゴマなどのトッピングをして焼き上げる。
その誕生は安土桃山時代だそうだ。

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京都ではいろいろなお店が作っているけれど。
その中でも、一部で「松風御三家」と呼ばれるものがあるらしい。

1.亀屋陸奥 (「松風」の元祖、西本願寺前、西中筋通七条上る)
2.松屋藤兵衛 (大徳寺近く、北大路)
3.松屋常盤 (御所南、堺町通)

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で。

自転車を走らせて、3種をゲット。

それぞれの松風を聴いて(利いて)みた…

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1.亀屋陸奥 「松風」

なるほど。
いかにもご本家らしい、と言えるかも。
実に素朴なのだ。
信長に攻められた本願寺勢の陣中で兵糧として考案された、との逸話が納得できる感じ。
比較的パサッとしているが、噛んでみると硬いわりにはもちっとしている。
表面の味噌の香りはさらっとして、白いケシの実が散らしてある。
あっさりとしながら、噛むほどに風味が出る感じ。
一箱分は一番薄くて一番長く、小さめにカットされている。

2.松屋藤兵衛 「紫野味噌松風」

大徳寺門前の店らしく、大徳寺納豆を入れている。
大徳寺納豆を使った和菓子は色々あるけれど。
例えば「無門」なんかは大徳寺納豆の香りバリバリで、好き嫌いの分かれる味。
一方、この「紫野味噌松風」での大徳寺納豆は、そのものの香り・味だけが際立つことはなく、むしろ“生地の味噌が焦げたような風味”を増す役割を果たしている。
いずれにしても、まあ存在感は大きいのだけれど、僕にはとっても好印象。
気に入ればクセになるタイプだな。
表面はカステラのような色に焼けていて、白ゴマと黒い大徳寺納豆が散っている。
一箱分はやや厚めで小さめ、カットされている。

*因みに、こちらの店には「福耳」なる人気商品がある。
味噌松風を作る際、「食パンの耳」状の切り落とし部分がたまってくると、袋に詰めて店先に出す、とか。
いつ出るかはわからず、数も少なく、またすぐに売れてしまう、幻の逸品、とか。
念のため訊いてみたが「ああ、出ちゃいましたねえ」。
いつかは…!!!

3.松屋常盤 「紫野味噌松風」

(*このBLOGで前にも一度紹介している … http://sokuu.exblog.jp/11892204/ )

めちゃめちゃみずみずしい「きんとん」で有名なこの店。
松風もまたこだわりの造り。
生地の水分含有量がずば抜けて高い。
なので、日持ちもわずか2日と、比較してもっとも短い。
出来るだけ当日中に食べたい感じだ。
生地の食感は、しっとり、どっしり、こっくり。
生地の色はやや茶色味を帯びている。
焼き上がり状態でも、表面の味噌がぬったり生々しくて、手にも付くし、プーンと香る。
生地の味噌含有量がとても多いのか、または、焼いている途中で味噌を上塗りしているんじゃないか、と思うような感じ。
表面のトッピングは黒ゴマ。
一箱は一番厚くて、どっしりと重い。
予めカットされていないのも、ある意味贅沢な感じ。
因みに、今でも炭火で焼いている、とか。(*いや、もう電気に替わった、という話も後に聞いた。)

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((まとめ))

「(味噌)松風御三家」食べくらべ私論

1.亀屋陸奥 … 素朴さの中に風味有、ご本家らしい奥ゆかしさを楽しむ
2.松屋藤兵衛 … 「大徳寺納豆」入り、独特の風味を楽しむ
3.松屋常盤 … リッチな「味噌松風」、素材と仕事の贅を楽しむ

いずれも、眼と鼻と舌と顎を使って、シンプルな素材のハーモニーをじっくり楽しむべし。

以上
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by so-kuu | 2010-05-18 12:20 | 菓子 | Comments(0)
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